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【必見】美味しい料理「うま煮」の深掘り解説!創業174年の老舗 みやさかや七代目

まだ初期の頃の 鬼嫁

「あれから40年~」というのが、
綾小路きみまろ師匠のお決まりフレーズ
である。
鯉太郎の場合は、あれから34年なのだ・・・
 
4人姉妹の末っ子で、結婚前はおっとり系で
可愛かった妻も・・・
 
子供を1人、2人、3人と生む度に、少しずつ
性格もキツくなった。
 
気が付いたら、私より4才年下で、私が社長で
彼女が専務なのに、いつの間にか私よりエラく
なってしまった。💦
 
きっと口を開けて昼寝している時に、口から
鬼が入ってしまったに違いない!
 
なので、ここ20年以来、畏敬の念を込めて
彼女を鬼嫁と呼んでいる。

そんな鯉太郎ですが・・・                                                           「鯉料理って、どんなものがあるんだろう?」
「どうやって調理するのかな?」
「土地やお店によって、味付けは変わるのかな?」
「昔、おばあちゃんが鯉をご馳走してくれたけど、どんな料理だったっけ?」
「鯉って泥臭いイメージがあるけど、大丈夫なのかな?」
「どこに行けば美味しい鯉料理が食べられるの?」
「お取り寄せしてみたいけど…」

こんな思いを巡らせていらっしゃる、鯉料理を食べてみたい方必見!

代表的な美味しい鯉料理を3つ紹介します。

今回の記事では・・・

・鯉のことなら、鯉太郎がなんでもお答えします!

・鯉料理にはどんなものがあるの?

・代表鯉料理「うま煮」とは?

・「鯉うま煮」の歴史を知りたい・・・

・美味しい「うま煮」はここが違う!

・美味しい鯉料理「うま煮」の見つけ方!

という質問や疑問にお答えしながら、美味しい鯉料理専門店を見つけるお手伝いをいたします。
美味しい鯉料理出会ったら、きっとの今までの鯉に対するイメージが一変しちゃいますよぉ~!

🖊執筆者 鯉太郎

創業嘉永2年鯉料理専門店「みやさかや」七代目

鯉とのお付き合い52年の自称コイ博士

鯉についての講話200回以上(対象/小中学生、大学ゼミ、社会人サークル、その他諸会)

18時間ダイエット進行中(10ケ月で11キロ減量達成)

天敵は鬼嫁(鯉太郎をパート社長と呼ぶ、みやさかやの陰の社長)

食べ歩き、自らを饕餮(とうてつ)(なんでも食べちゃう中国の妖怪)と称する食いしん坊

一人旅大好き!国内・海外旅行(35ヶ国漫遊)

釣りバカ(海釣り)、囲碁好き、読書(活字中毒)、サウナ依存症

座右の銘「継続は力なり」ってことで、毎晩お酒飲んでます・・・

饕餮 – Wikipedia

目次

コイのことなら、鯉太郎がなんでもお答えします!

私は創業嘉永2年鯉料理専門店「みやさかや」の七代目社長、本年とって64才、自称「鯉太郎」といいます。

ブログでは、あなたの知らない鯉の世界について、10回にわたって解説する予定です。

さて、私が鯉に関わってきたのは、中学1年生の年末から家業の手伝いをさせられたことに始まりました。

最初は小遣いの増額で交渉しましたが却下され、最終的にお年玉を増額してくれるという条件で・・・

母親は中々のネゴシエーターでした。😢

昔は家の手伝いで、お金をもらえるというのはなかなかなかったことですよね?

今どきの子供はバイト料、しかも最低賃金を要求してきます。

時代は変わったんですねぇ~

途中、東京の大学に進むなど、27才で家業を継ぐまでブランクがありました。

それでも当店の最大の繁忙期の年末は、毎年父親から「強制送還」させられお手伝い、鯉との関係が切れることは一度もありませんでした。

このように現在に至るまで、鯉とのお付き合いは52年間にもおよびます。

また10年前のことですが、山形大学の大学院の理工学研究科(ものづくり技術経営学専攻)で4年間学び、「鯉加工製品の市場創造の研究」という修士論文も書きました。

(本当は2年間で修了できたのに、4年間もかかってしまいましたが・・・💦)

ですので、鯉の生態や特徴、養殖の技術、

伝統的な鯉料理や、新しい料理、

商品開発技術、

日本だけではなく世界の鯉の食文化や歴史などのうんちく

これからの鯉の食料資源としての可能性など、

鯉については、その場でたいていのことには答えられます!

このブログの目的は、多くの訪問者の方々に、コイをもっともっと知って欲しいからです。
 
これから知れば知るほど美味しいコイ料理の世界に、ご案内いたしますね!

鯉料理にはどんなものがあるの?

日本で鯉料理といえば、「うま煮(甘煮)」、「あらい(洗い)」、「鯉こく」の3品が代表的なものです。

全国の鯉料理専門店のメニューでは、ほとんどがこの3品で構成されています。

ただ地域によってはメイン料理にかたよりがあります。

九州や西日本では、あらい、鯉こくが中心!

特に九州では、流しそうめんと、あらい、鯉こくのセットが定番の人気料理で、鹿児島県の唐船狭が発祥の地と言われています。

ここから九州各地の渓谷・峡谷の飲食店に広まり、あらい、鯉こくの人気が高まりました。

市営唐船峡そうめん流し | いぶすき観光ネット (ibusuki.or.jp)

また、関西で鯉料理といえば、あらいや刺身などお造りが中心!

なかでも京都の「草喰なかひがし」さんや「美山荘」さんなどのミシュラン2星の料亭や旅館では、お造りは鯉がメインのことが多いのです。

他にも京都の蕎麦、うなぎの名店では、鯉のあらいを名脇役、一品料理としているところが多いのをご存じでしたか?

参考元:京都でおすすめのレストラン(鯉洗い)をご紹介! | 食べログ (tabelog.com)

鯉あらい叩き風|みやさかや
鯉のあらい|みやさかや

片や東日本では、あらいや鯉こくも好まれますが、圧倒的に多いのが鯉のうま煮、甘露煮がメイン!

今回は「鯉のうま煮」がどんな料理なのか、その特徴、どこで食べられるのか、食べ方や作り方のポイントを解説しますね。

代表 鯉料理「うま煮」とは?

コイの「うま煮」とは、地域によっては、旨煮(うまに)甘煮(うまに)、あま煮と称されます。

必ず活きている鯉をウロコ、内臓付きのまま筒切り(ブツ)にし、お酒、醤油、砂糖、お店によっては、みりん、水あめなどを加え、照りが出るまで煮込んだ魚料理です。

「うま煮」のポイントは、必ずウロコ付きのまま筒切りにすることです。

これは「うま煮」の調理時間が長く、しかもタレの温度が高くなるため、ウロコの成分であるコラーゲンなどが煮汁に溶け出すからです。

ウロコを外した切身だと、コクや照りが薄くなり、うま味が落ちます。

大ヒットグルメ漫画の「美味しんぼ」でも、「コイの旨煮は必ずウロコを付けたままでなければらない」と描かれています。

ちなみに「鯉こく」は、「うま煮」ほど高温調理にならず、結果ウロコが口に当たるためウロコを外して調理します。

参考元:美味しんぼ – Wikipedia|第76巻「結成!?世界食の評議会<前編・後編>

美味しい「うま煮」の特徴は…

◆活きている鯉(活コイ)を調理した「うま煮」は、断面が盛り上がり、身質もしっかりし、焼き栗のような食感がして美味。

内臓(卵や白子、肝に胃袋)、ウロコや皮もカルシウム、コラーゲンが含まれていて美味しい。

 ちなみに魚でウロコが美味しいのは、コイとアマダイ(関西ではグジと呼ぶ)だけである。

◆長時間煮上げるのではなく、長くても90分ほど(当店の調理時間)の調理時間で仕上げるため、甘露煮とは違い身肉は白い煮魚である。

甘露煮系ではないので、大骨、小骨は食べられない。

すべてのコイ料理の最大の特徴は、

「必ず活きている鯉を調理しなければならない!」というところにあります

いくら活き締め、氷締め、神経締めをほどこし、氷詰めで発砲ケースに入れて鮮度を保ったものを調理しても✖ダメ!

上記の鮮魚流通や、前日に切って冷蔵庫などで保管したものを調理すると、

「うま煮」の断面が盛り上がらず、写真のブリ照り煮のように、平らになり身質も柔らかくなるのです。

ブリ照り煮/表面が平らで盛り上がらない、身も柔らかい

現在でも都内や全国大都市の有名デパートの地域物産展などで、コイ産地の専門店が出店し、コイうま煮の実演販売がおこなわれることがあります。

当店でも25年以上前は、都内の有名百貨店の催事に出店してたのですが…

しかし活コイを百貨店に直接持ち込んで、現場で切って調理することができませんでした。

そこで前日の夕方に切ったコイの切り身を百貨店に送り、地下の厨房を借りて「うま煮」調理していました。

でもこれでは本当に美味しい「うま煮」を味わっていただけないという理由で、以後百貨店の催事はお断りしています。

活コイを調理した「うま煮」は、断面の細胞が山のように盛り上がります。

身質もしっかりしており、まるで焼き栗を()んだような硬め歯ごたえがするのです。

断面が山のように盛り上がった<みやさかやのうま煮

◇◆◇ただし例外もあります!◇◆◇

活コイを切り身にして、一旦冷凍庫で熟成してから調理する料理もあります。

骨が硬く小骨も多いのが、食材としてのコイの最大の欠点です。

この欠点を解消するのが、昔からコイ料理専門店の課題でした。

当店でも30年以上前から、大骨や小骨も召し上がられる商品を開発、提供しており、これを骨軟化商品と呼んでいます。

この商品群は、圧力をかけたり、長時間煮込んで骨を柔らかくするために、あえて一旦冷凍庫で寝かしてから調理するのです。

若干ふつうの「うま煮」よりも、身の盛り上がりは低いですが、大骨から小骨まですべてお召し上がりになれるので、現在では下記の骨軟化商品が当店の人気上位を占めています。

やわらか煮|みやさかや
ことこと煮|みやさかや

小中学校の給食や、高齢者養護・介護ホームので大人気の料理です!

「うま煮」は、どこで食べられてきたのか?

「うま煮」は、主に東日本で多く食べられてきました。

特に長野県佐久地方や、当地山形県の米沢など置賜地方では、明治末期より「うま煮」が魚料理では最高峰にランク!

大事なお客様へのもてなし料理、結婚式、お祝い事、仏事では必ずといっていいほど膳にのぼり、帰省客が集まるお盆や大晦日、お正月最大のごちそうでした。

逆に西日本や九州では、「うま煮」より「あらい」の方が食べられてきました。

そこで我々コイ業界の人間は、この嗜好の違いを「東の腹食い、西の身食い」と呼んでいます。

したがって美味しい「うま煮」を探すなら、圧倒的に東日本にある鯉料理専門店に絞った方がいいでしょう!

参考元:米沢の味|米沢観光NAVI (yonezawa-kankou-navi.com)

鯉料理「うま煮」の歴史を知りたい・・・

「鯉のうま煮」は意外に新しい料理!

「うま煮」になくてはならぬ砂糖は、平安中期から鎌倉時代中期に盛んであった宋貿易の輸入品目に登場してきました。

その後も18世紀末の寛政年間まで、砂糖(唐砂糖)はオランダ船からの輸入もので、薬用として扱われるくらい大変貴重なものだったのです。

したがって砂糖を使った料理自体、庶民の口に入ることは滅多になく、江戸時代の代表的な鯉料理と言えば、鯉こくがメインでした。

砂糖が料理の調味料で頻繁に登場してくるのは幕末ころです。

その後明治時代となり、日清戦争後に占領した台湾経済の中心として、製糖業が位置付けられました。

続いて我が国でも、機械化された大工場による近代製糖業が確立され、砂糖が行きわたるようになり、この頃から一般庶民にも「うま煮」が提供されるようになったのです。

このように「うま煮」は、砂糖が大変貴重品だったため、明治時代の後期から一般向けに作られてきた、比較的新しい鯉料理だったのです。

参考元:平野雅章|日本人と砂糖の交流史

参考元:農畜産業振興機構|砂糖の歴史(日本への伝播)

ちなみに当店では、素材の味を活かす上白糖と、醤油との相性がよく煮物に適した中双糖ちゅうざらとう (ザラメ糖)を使っています。

上白糖
中双糖 (ザラメ糖)

美味しい鯉料理「うま煮」はここが違う!

美味しい「うま煮」を炊き上げるコイ料理専門店には、つくり方や調味料の違いがあっても、いくつかの共通したポイントがあります。

この章では、どんなこだわりが「鯉うま煮」を美味しくさせるのかを解説いたしますね!

美しい「うま煮」のこだわり…

必ず活きている鯉(活コイ)を調理する

理由は、前述の美味しい「鯉のうま煮」の特徴は…を参照してください。

調理する鯉は、清冽せいれつな河川水か地下水で締める

養殖場から水揚げされたコイは、上流に生活排水が流れていない清冽な河川の

水や湧き水を引き込むか、地下水をかけ流しにした畜養池かプールで飼うのが

ポイントです。

我々、鯉料理専門店では、エサを与えないで畜養することを「締める」と言います。

締めによってお腹の中のエサは、3日間ほどで排出されます。

ただお腹の中がキレイになっても、最後に身と皮の間に、川魚特有の臭みが残ることがあり、この臭みを完全に残らないようにするには・・・

最低2週間ほど締めたものを使います。

水道水で畜養した鯉は✖ダメNGである

都会にある店舗や、事情があって上記のような清流の河川水や地下水が使えない店舗では、水道水で締めるしか方法はないのです。

しかしながら水道水での締めでは、カルキを抜かないと鯉に塩素臭が付いて美味しくありません。

特に「あらい」など生食では、カルキ臭さが身質に残るのです。

カルキを抜くには、中和剤を使用するとかいろんな方法がありますが・・・

いずれにしても、汲み置きの水槽になってしまい、新鮮な水が入らないため水も汚れ、締めの効果は薄れてしまいます。

また鯉を水道水で畜養すると、人間にとっては微量な塩素でも、コイにとってはエラなどの呼吸器の細胞を破壊されるため弱ってしまい、本来の味が損なわれてしまうのです。

地下140mからくみ上げる「みやさかや」の畜養池

鯉料理専門店の「うま煮」は、元ダレが命 

鯉料理専門店でつくる「うま煮」は、代々受け継がれてきた鯉のエキスや旨味が

たっぷり溶け込んでいる元ダレ(下記うま煮のつくり方の⑨のタレ)をベースに、

醤油や酒を注ぎ足しながら煮上げていきます。

この元ダレがあれば、みりんや水あめなどを使わなくても、照りやうま味を出してくれる

魔法のタレといってもいいでしょう!

創業173年の当店でも、江戸末期から明治、大正、昭和、そして戦時中も絶えることなく、平成、令和と6つの時代にわたってこの元ダレを守ってきました。

とは言っても調理のナベが1日3回転もすれば、10日間ほどで、

ほとんどのタレが入れ替わりますので、酸化したタレが残るということはありません。

それでも何億分の一かは、170年以上前のエキスが入っているかもしれませんね!

このように元ダレを大切にしてきた先代からの味のDNAとでも言うべきものは、

確実に今に受け継がれてきたのです。

ちなみに当店では、昔は地震や水害、火事などが近くでおきると、

なによりも先にこの元ダレを持ち出しておりました。

それほど大事に、宝物のようにしてきたのです。

現在は元ダレを真空パックにして、レンタル冷凍倉庫で保管して、もしもの時に

備えております。

あなたにとっての宝物は?

プロ直伝「鯉うま煮」のつくり方【読み飛ばしOK】

材料:ウロコ付きのコイの輪切5切れ(約1.3キロ)

砂糖1.4キログラム、しょう油400cc、日本酒200cc、みりん50cc、水1,400cc、

道具:厚手のナベ、タレを一時入れるナベかボール、お玉、しゃもじ、ハシ 

①ナベに鯉を並べ、上からしょう油、水、日本酒をかける。

②ナベの上から砂糖をまんべんなく掛け、落しブタをし最初から強火で煮る。

煮魚は煮汁が煮立ってから、魚を入れることがコツといわれています。
当店のうま煮も最初強火にするのは、表面を熱で固めて魚の旨みを逃がさないためなのです。

③煮立ったら中火にし、タレがあふれてくるので、丹念にお玉ですくい、別に用意したナベかボールにあける

④すくい取ったタレは、お玉を回しながら浮かんでいる油やアクをすくい捨てる。

⑤ナベのタレが吹きこぼれなくなるまで、タレを取り続ける。

―ここまで20分~30分―(ナベの厚さで調理時間が変わる)

⑥この間、タレを取りすぎて焼付かないように注意する。

 ある程度タレを取り続けると、ふきこぼれなくなって、逆にタレが下がっていく。

⑦すべてのタレが戻って、ナベの中のあわが立ってきたら出来上がりが近い。

―ここまで15分―

⑧鯉の表面がアメ色の照りが付いたら、火を止めて出来上がり。

こわれやすいので、しゃもじとハシを上手に使ってナベから取り上げていく。

⑨残ったタレはビンやビニール袋に入れて冷凍保存すること。

⑩次回からこの残ったタレが元ダレになり、1回目より美味しく照りもよく出る。

2回目からコイ以外の材料は、元ダレに砂糖700グラム、しょう油200cc、日本酒100cc、水800cc、

みりんは元ダレから照りが出るので不要となる。

調味料も「安心・安全」が基本!しょうゆへのこだわり無添加の本醸造醤油を使うのポイント!

無添加の本醸造醤油を使うのポイント!

調味料においても、照りや見た目、味をよくしたいからといって、よけいな添加物を使ってはいけません。

着色料  うま味調味料  保存料  香料

ただここで見落としがちなのが、「うま煮」にとって砂糖と同じなくてはならぬ醤油の問題です。

その醤油ですが、実は下記の本醸造、混合醸造(新式2号)、混合と3種類の製造方法があることをご存じでしたか?

美味しい「うま煮」をつくるには、容易に味が付くアミノ酸やうま味調味料、

甘味料が添加された混合醸造系の醤油を使うと、コイ本来の旨味が損なわれて

美味しくなりません。

アミノ酸やうま味調味料、 甘味料が添加された混合醸造系の醤油

「うま煮」には、50日くらいの短期間の醸造期間で完成する混合醸造系の醤油ではなく、

熟成期間が半年から3年間の無添加の本醸造醤油を使うのポイントなのです。

ちなみに我々の鯉料理専門店、鯉養殖業界には、全国養鯉振興協議会という業界団体があり、毎年おこなわれる定時総会では、創作鯉料理と「うま煮」のコンテスト(審査委員は専門家、著名料理家、消費者)があります。          これまでこのコンテストで、混合醸造方式や混合方式の醤油を使用してつくった「うま煮」が、最高賞を受賞したことはありません。

参考|しょうゆの種類と製造法【読み飛ばしOK】

①本醸造方式

蒸した大豆(脱脂加工大豆)と炒った小麦を混合し、種(たね)麹(こうじ)を加えて「麹(こうじ)」を造ります。

これを食塩水と一緒にタンクに仕込んで「諸味(もろみ)」を造り、撹拌を重ねながら約6~8ヶ月ねかせると、麹菌や酵母、乳酸菌などが働いて分解・発酵が進みます。

さらに熟成されてしょう油特有の色・味・香りが生まれます。

 伝統的なしょうゆ製造法で、アミノ酸液は原材料として用いられません。

②混合醸造方式(新式2号醤油製造法)

「諸味(もろみ)」に大豆(脱脂加工大豆)、小麦、とうもろこしなどのたんぱく質を塩酸分解してつくったアミノ酸液を加え、約2ヶ月間熟成させます。

製品によっては、アミノ酸液ではなく、塩酸の代わりに酵素で大豆を加水分解した酵素分解調味液や小麦を発酵により分解した発酵分解調味液を使います。

アミノ酸特有のうま味やこく味が強いのが特徴で、地域によってはこのしょうゆが好まれています。

③ 混合方式

本醸造しょうゆまたは混合醸造しょうゆにアミノ酸液を加えてつくります。

製品によっては、アミノ酸液ではなく酵素分解調味液や発酵分解調味液を使います。

引用元:農林水産省|しょうゆの製造方法

引用元:醤油職人|醤油の製法による3分類

まとめ 鯉料理 美味しい「うま煮」の見つけ方・・・

今回は鯉料理のなかでも「うま煮」についての歴史や食文化、

どんなコイをどのように調理したら美味しいのかを解説してきました。

紹介したポイントを下記にまとめましたの、こちらを参考に検索していただければ

簡単に美味しい「鯉うま煮」が見つかるはずです!

「うま煮」は東日本の鯉料理専門店の方が得意!

西日本や九州地域は、「鯉のあらい」などの生食が中心で、「うま煮」などを提供するお店が少ないのです。

「うま煮」は、特に長野県佐久地方や、当地山形県の米沢など置賜地方では、

明治末期より食べられてきて、提供している老舗鯉料理店が多いのも強み!

鯉の煮炊きの技術も洗練されて、新しい技術も開発されており、

大骨も小骨食べられる「うま煮」も販売されています。

活きている鯉を調理することが、美味しい「鯉うま煮」の絶対条件である

活コイでないと「うま煮」の断面が盛り上がらず、身質も柔らくて美味しくありません。

美味しい「うま煮」を食べるには、鯉料理店のある現地に行くか、ネットや電話で直接お取り寄せするべきです。

鯉料理専門店の「うま煮」の味を決めるは、元ダレである

うなぎ屋さん、焼き鳥屋さんと同じ、鯉専門店でつくる「うま煮」は、代々

受け継がれてきた、コイの旨味が解け込んだ元ダレが命です。

元ダレが存在するのか、「うま煮」のつくり方を直接お店に聞くのも一案か

もしれません。

しょうゆなどの調味料へこだわりがあるか

見た目や味をよくするための着色料やうま味調味料の不使用はもちろんのこと、保存料や香料の使用は論外です。

意外に見落としがちなのが、醤油へのこだわりです。

なるべく本醸造の醤油を使っているかどうかをチェックしてください。

醤油は大きく分けて、アミノ酸を加えて短期間の熟成でつくった混合醸造方式や混合方式の醤油か、

本醸造の醤油か2種類あります。

この2種類の各々違う醤油で「うま煮」をつくり、2つの「うま煮」を食べ比べてみると・・・

混合醸造方式や混合方式の醤油を使用すると、食べた後舌にアミノ酸系のあと味が残ります。

対して本醸造の醤油を使った「うま煮」は、あと味がよく、鯉自体の旨さが舌に残ります。

単体では中々味の違いがわかりにくいのですが、食べ比べると驚くほどその違いを感じるのです。

水道水で畜養した鯉はNGである

上流に生活排水が流れていない清流からの引水か湧き水、もしくは地下水を汲み上げて

鯉を畜養(締める)できる池を持っている鯉料理専門店がおすすめ!

なぜなら水道水での締めでは、カルキを抜かないと塩素臭が付いて美味しくありません。

川魚特有の臭みを抜くには、鯉を2週間以上締めなければならないのですが・・・

しかし水道水では人間にとっては微量な塩素でも、鯉にとってはエラなどの呼吸器の細胞を破壊されるため、                                 活きが悪くなり、美味しさが損なわれるからなのです。

以上のポイントをチェックしながら、ネットで「美味しい鯉うま煮」を探してみてください。
きっとご自分に合った「鯉のうま煮」に出会えるはずです!
ちなみに手前味噌で申し訳ありませんが、みやさかや「鯉うま煮」が美
味しくなる条件を全部満たしております。

◆◇◆次回予告◆◇◆【必読】【必読】鯉のあらいを徹底解説 | 創業173年老舗 「みやさかや」の七代目の美味しい鯉料理

次回第2弾は「あらい」についての解説です。

◆「あらい、洗い、アライ」とは、どんな鯉料理なのか?

 ・鯉料理「あらい」のつくり方とは?

 ・「あらい」は、どこで食べられるのか?

鯉料理「あらい」を科学する!

 ・「あらい」のメカニズム

 ・「鯉のあらい」には、寄生虫のリスクがないのか?

◆鯉料理「あらい」歴史とは?

◆美味しい鯉料理「あらい」はここが違う!

 ・美しい「あらい」のこだわり…

 ・水が命・・・

 ・酢みそではなく、ワサビ醤油で召し上がれ!

◆「あらい」を美味しく食べるためのアレンジレシピ

◆まとめ 鯉料理 美味しい「あらい」の見つけ方・・・

・・・つづく

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この記事を書いた人

創業173年米沢鯉料理専門店みやさかや七代目 鯉太郎の「ぐるぐるグルメ探訪記」
食べ歩きはA~G(ゲテ)級グルメに始まり、旅行、旅行、釣り、読書もすべて食にまつわるブログ&エッセイ

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